Q1 積極的にとった方が良いものは何ですか?
A1

健康を保つためには適切な食事、運動、睡眠が必要ですが、めまい予防においても暴飲暴食を避けて栄養バランスのとれた適量の食事を規則正しくとることが何よりも大切です。めまいに良い食材として特別なものはありませんが、血流改善、疲労回復、貧血予防としてビタミンB1・B2・B6・B12 などのビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、青魚などに含まれるαリノレン酸・エイコサペンタエン酸、トリプトファン、マグネシウム、亜鉛、鉄などを含む食事が良いでしょう。内耳(ないじ)の抗加齢に関する研究からは、ビタミンC、E、コエンザイムQ10などの抗酸化物質とお茶の成分であるカテキン、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、赤ワインに多いタンニンなどのポリフェノール摂取が内耳の保護に有効とされていますので、 試してみるのも良いと思います。しかし何事も過ぎたるは及ばざるが如しですから、適量を守り、とり過ぎには注意してください。

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Q2 とり過ぎに注意するものはありますか?
A2

どのような食材でもとり過ぎは良くありませんが、めまいに関して過量摂取を控えた方が良いものとしてはまず塩分があります。高血圧の主な原因ですし、メニエール病では内リンパ水腫(ないりんぱすいしゅ)を悪化させるとされています。水分摂取に関してはさまざまな説がありますが多量摂取はかえってストレスになることがあるようです。糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満などの生活習慣病はめまい発症に関わっていますので塩分に加えて、糖分、動物性脂肪も控えめにした方が良いでしょう。コーヒー、チョコレートなどに多く含まれるカフェイン、インスタント食品に含まれている亜鉛吸収阻害作用をもつフィチン酸もとり過ぎは良くありません。食材ではありませんが、タバコのニコチンは血管収縮作用によって内耳の血流を抑制しますので、めまい予防のためには禁煙を心掛け、運動・趣味など他の手段でストレスを発散することをお勧めします。

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Q3 アルコールを飲んではダメですか?
A3

急性のめまい、あるいはめまいの急性期にはもちろん飲んではダメです。急性期後のめまい回復期には、機能が残っている良い方の耳、視覚入力、小脳の働きなどによってバランスの回復を促進する前庭代償(ぜんていだいしょう)という仕組みが働きますが、アルコールはこの働きを遅らせることが知られています。メニエール病のようにめまいを繰り返す病気では間歇期(かんけつき:症状が治まっている期間)があり、この期間にアルコールの飲み過ぎでめまいを引き起こすことがあるので注意が必要です。しかし、メニエール病の原因の一つであるストレスの解消目的での適度の飲酒であれば問題ないと思いますし、またメニエール病の内リンパ水腫軽減にアルコールの利尿作用が有効であるとして少量のビール摂取が勧められることがあります。
食事内容は患者さんごとに異なりますので、詳しくは主治医にご相談ください。

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