Q1 めまいが起きる前に頭痛が起こります。
何か関係があるのでしょうか?
A1

めまいの前に起きる頭痛としては、主に緊張型頭痛と片頭痛があります。頻度としては、筋肉の緊張による緊張型頭痛のほうが高いと思われます。頭痛の中で、吐き気を伴うもの、日常の動作を中断しなければならないような頭痛の場合は片頭痛の可能性があります。一般に、頭痛の時に音がガンガン響いたり(音過敏)、光がまぶしく感じる(光過敏)症状があれば、片頭痛の可能性が高いと言われています。
めまいの中でも、片頭痛と関連しためまいは、耳鳴りや耳閉感(耳がつまった感じ)などの耳症状を伴うこともあるため、メニエール病と診断されていることも少なくありません。頭痛とめまいが時間的に直接関連していなくても、片頭痛と関連しためまいである可能性があります。そのため、頭痛とめまいの関係を日記などでしばらく記録してみると、これまで関係がないと思っていためまいと頭痛の関係が明らかになり、正確な診断の助けになる可能性があります。場合によっては、緊張型頭痛と片頭痛が合併していることもあるのです。注意すべきは、女性の場合は閉経後もともとあった片頭痛が治癒し、かわりにめまいが出現する場合があります。したがって若い頃片頭痛があった方が閉経後めまいを起こしている場合には、たとえ頭痛が伴っていなくても片頭痛と関連しためまいの可能性があります。

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Q2 頭痛と関連しためまいの場合、
どのような治療をするのですか?
A2

頭痛と関連しためまいは、緊張型頭痛に関連するものと、片頭痛に関連するものに大きく分かれ、治療も異なります。いずれもめまいに対する治療に加え、頭痛に対する予防・治療が必要となります。具体的には薬物治療と生活指導があり、薬物治療には予防療法と急性期治療(痛いときの治療)があります。当科では下表のように、緊張型頭痛の予防療法には筋弛緩薬を使用しており、急性期治療には頓服で解熱鎮痛薬が用いられます。一方、片頭痛の予防療法にはカルシウム拮抗薬などが用いられます。また、急性期治療には片頭痛の特効薬であるトリプタン系薬が用いられますが、月に5回以上内服する場合には予防療法を見直す必要があります。

【当科における頭痛に対する薬物治療】

  緊張型頭痛 片頭痛
予防療法 筋弛緩薬 カルシウム拮抗薬など
急性期治療 解熱鎮痛薬(頓服) トリプタン系薬
*健康保険適応外のお薬ですので、主治医とご相談ください。

生活指導についてはQ3を参照ください。

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Q3 日常生活で注意しておくことはありますか?
A3

緊張型頭痛、片頭痛ともに生活習慣と密接に関係しています。前者は、パソコンの使い過ぎ、目や肩の酷使などが誘因となりますので、一定時間ごとに休息を入れるなどの工夫が必要です。また、肩こりや運動不足とも密接に関係しています。後者は、寝不足、寝過ぎ、ストレス、過労、低気圧などの気圧の変化、季節の変わり目や特定の食物(チョコレート、ナッツなど)で誘発されます。また女性では生理の前後に起こるタイプもあります。
このように、頭痛は患者さんごとに誘因が異なりますので、ご自分の頭痛、めまいの原因を把握しておき、可能な範囲で生活習慣の改善を行うことが予防・治療になります。

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